2022年8月13日土曜日

文房具沼・購入編

文房具沼・選択編からの続きです 


というわけで時は比類なき2022年8月11日、山の日という2016年に制定された新しい祝日であるが何度も言っている通り行先は山では無く沼帝国群馬の文房具店「ハイノート」を物色。書店のついでにある文房具コーナーではなく「文房具専門店」というものに足を踏み入れた記憶は無い。

先の記事でも書いたが、

万年筆A……メイン使用、黒かブルーブラック系インク

万年筆B……準メイン、赤系インク、国産を前提に現物を見て選ぶ

ボールペン…重厚感あるやつが良い


「万年筆A」及び「ボールペン」は既に決めての来店だったが、この2点は置いていなかった。店頭購入の最大のメリットは「現物がそこにあってその場で手に入るである故、取り寄せるくらいならでAmazonでポチる。翌8/12、これを書いている時点で2本は既に到着している。「万年筆B」は店頭で電波を受信したものから選ぶ。


では選んだ3本を発表する



万年筆Aラミ― ステュディオ インペリアルブルー F


ラミ―はドイツのブランド、シリーズ数は他メーカーに比べて多いのだが、それぞれに異なるデザイナーが関わっている。建築デザイナーとかも居るんだとか。ドイツらしく質実剛健。そしてこのブランドにはサファリという大ヒットモデルがあり、ハイノート店内でもラミ―コーナーはほぼ全てサファリで埋まっていた。カラーバリエーションも豊富にあり、輸入品コーナーの中でも圧倒的な本数が置かれている。サファリもいいのだが欲しいのはここじゃない。プロペラ式のクリップという特徴もありながらもそれはそれ。選んだ理由はこの「インペリアルブルー」という色名、キャップリングが無い、33gという標準よりやや重めの重量。価格も定価だと5桁に乗っているが実売は4桁半ば。艶消しブルーの感じ。現物が届いたので開けてみる。


サファリばかり名前が挙がるブランドだが、Youtube見てたら気になっていた


ブランド名の表示、キャップを閉めた状態だとこれ以外一切の記載は無い

かっこえぇ
そうそう、こういう万年筆だと分からないけどポップさも無いやつ。キャップリングが無いので知らないと見落としてしまいそうだが、キャップした状態だと勘合部を極点として僅かに丸みを帯びている。色が本当に上品な青、慎ましい大きさながら太さでしっかり主張するブランドロゴ。持ってみると見た目以上にズシっと来る。あとキャップは勘合式なのだが脱着の感覚が浅め。着ける時はカチッという音がするがとても小さい。非常に感覚的な話で申し訳ないのだが「カ」にあたるところは聞こえない。そして外すときは「コトッ」こんなところで高級感を感じているとしたら自分は安い野郎なのかも知れない。



万年筆B:プラチナ万年筆 プロシオン ディープシー M


これは前述のとおり店頭にて購入。パイロット・コクーンと店内にて最後まで脳内でやりあって勝利をおさめたのがプロシオンだった。先の記事でイカリソースのマークまで出してセーラー推しと言ってきたのに結局セーラーの名前は出なかった。コクーンの青もきれいだし形も美しい。ただし先述のステュディオと見た目のキャラが被る(こちらの方がより曲線的だが)。あとこれも勘合式なのだが脱着がかなり硬かったので選外となった。

パイロット「コクーン」造形はこれも美しい。意味は「繭」

というわけで万年筆Bの選考に勝利したのはプロシオン、これは店で試筆させてもらった。本当はFニブが良かったのかもしれないがこのディープシーカラーの在庫はMニブだけだった。だったらMニブと付き合うことに。店頭で選ぶ以上は「そこにあるものに縁がある」と考えている。万年筆2本は青系で統一。前情報も全く無しのノーマーク。重量は23g、先ほどのステュディオに比べると10g軽い。キャップリングがオーソドックスな万年筆感を出しているものの、2本選ぶ予定で1本がデザイナー色が出ているのであれば、もう1本はこのスタイルでいいだろう。


ステュディオと違い天冠まで塗装仕上げ

前情報無しで選んだので逆に印象深い

なお、このプロシオンだが他の色はこういうポップな色が並ぶ。これの他に白もあるが、こうやって並ぶとディープシーしか選びようが無い。この上のシリーズで「プロシオン ラスター」というのがあるのだが、これはシルバーやブラックというカラーを用意している。



ボールペン:ウォーターマン カレン ブラック・シーST


メイン万年筆がラミ―じゃなかったらラミ―2000ブラックウッドで難なく決まっていたが「3本のブランドは被らないこと」というルールを設けていたので選外。条件の一つに「重め」を設定していたのだが36gあるのでこれはクリアしていた。どうせそう日も経たないうちに手にしているんじゃないかと今から戦々恐々としている。となるとシェーファー300で決まりかと思っていたが流石はアメリカンな一本で重量は50g近い。「いくら重いのが良いと言っても重すぎやしないか」という一抹の不安がよぎる。というか選ぶ基準で「重さ」しか見ていないのはどういうことだってばよ。


ラミ―2000ブラックウッド、これも文句なしに惹かれる

米国の雄・シェーファー、50g近い。ゴルフボールより重い

そこであんまり見ていなかったフランスのブランドを見ていたらウォーターマン。万年筆しか見ていなかった。カレンの万年筆見てこの形が美しいと軽く惚れていたのだが予算オーバー……と思っていたがこれにボールペンがある。万年筆より安価で更にAmazonだとその定価の半値につき即決した。ゴールドよりはシルバー。「カレン」は船という意味なのだが、それを考えると写真が少しだけ青っぽく見えるから不思議だ。重量は42g、ズシリとくる感じだろう。しかしその重量を曲線フォルムで手にするのもきっと愉しい、ということにしておく。

ステュディオと同時に8/11の昼に到着。ヤマトのセンターで回収、他とは一足先に同日PMより使用開始。こんなことになったきっかけは「手近にあった職場のボールペンのインクが3本同時に切れた」ことなので、ボールペンはすぐに使い始める必要があった。
到着後すぐに使用しているので、撮影時点で若干使用感がある

箱がエグい。言われなければ起毛仕上げでもやっているのかと

半値とは言っても価格は先の2本の万年筆の購入価格を足してちょうどくらいなので、今回の3本の中では(5桁の最初とはいえ)高額である。筆記具に5桁かよという話は当然あるのだろうが、長く使うつもりでいるのと、万年筆よりは勝手の分かっているものなので少し冒険できるかな、というのもあった。

2022年8月11日木曜日

文房具沼・選択編

前記事「文房具沼・邂逅編」からの続きです。

さて、ここまで来たら次は予算含めて「具体的に何に手を出すのか」という話になって来る。

・万年筆×2

・ボールペン×1

・インク

・ペンケース

・ノート×2(仕事用/個人用)


これで3~4万くらい。この金額設定は初めてのカメラに対する初期投資がこれくらいだったので、という程度の根拠。入山料ならぬ入沼料だ。


万年筆A:メイン使用、こいつに黒かブルーブラック系インクを入れる。ボディは黒紺に金の輪っかというような「The 万年筆」みたいなモノは避ける。SIMPLE2000シリーズかよ(古)。日本メーカーもこぞって模しているモンブランの王道万年筆みたいなフォルムだ。華美なもの・ポップなものよりも無駄がなくスタイリッシュなのが良い。フランスよりもイギリス、イタリアよりもドイツ。しまったモンブランもドイツだ。予算的にモンブランやペリカンは無い、、、多分。

モンブラン「マイスターシュテュック」
「THE 万年筆」と言っているのはこれ。
日本メーカーのハイエンド品もこの形がズラリと並ぶ

万年筆B:メインよりも下の価格帯、これは赤とか紫系インクを入れるつもり。こちらは国産ブランドでもいいのかも。というかメインにしてもちゃんと現物みてから選ぼうぜ。ただ悲しいかな地方では現物を見る機会があまり無い。伊東屋に突撃するにはちと遠い。パイロット、セーラー、プラチナならセーラーという第一印象。あんまり根拠は無い。イカリのマークが決め手。そういえばイカリソースって全く馴染みが無い。(関係ない)

セーラー万年筆のロゴ

こっちはイカリソース(だから関係ない)

ボールペン:職場で複写式の書類に書くケースがよくある。この場合は万年筆の出番ではないのでボールペンも必要になる。少々値が張っても重めなモデルが良い。その辺の軽いボールペンでは手が必要以上に動いている。書いている時間が惜しい。そんな気持ちが抜ければ少しはマシな字を書けるようになる、、、という超希望的観測。んなこたーない。あと職場を離れると、譜面を印刷したインクジェット紙にメモするケースがある。この紙は万年筆を使うとコーティングが剥がれて万年筆が詰まるということがあるんだとか。

米国の雄・シェーファー300、48gある
ちなみにゴルフボールの規格は45.93g以下と決められているのでそれよりも重い

*なお上記3本は全て別ブランドとする。国籍も異なればなお良い。

万年筆Bだけは店頭で現物を見て電波を強く受信したものを選ぶ。それ以外は決めた上で現物が無ければ目を瞑ってAmazonでポチる。


インク:実はこの時点でメイン、サブ両方に入れるインクはそれぞれ決めている。手に入ったら改めて紹介する。吸入式でなければコンバーターも忘れないように。

パイロットの350ml入りインク
なお通称「ポン酢」

ペンケース:こういうものを使うんだからケースの中でゴチャつかずに個別に挿せるものが良い。ただいきなり沢山挿せるやつに手を出したらそれを埋めようとするのに決まっている。あと最近長財布を購入したので、ファスナー式長財布のようなケースも今回は敬遠する。


密林さんには時折こんな訳分からないものが置いてある


ノート:普段扱っているサイズはA4なのだが何だか大きい。これを機にA5サイズにする。職場のデスクは散らかっているがこれを機にノート用のスペースは確保した。ここについてはプリンタ用紙の世界の沼を少し見てしまったことがあるので油断してると金額が跳ね上がるという警戒心をもって当たる。

WIZ外伝IIIにデビルブックというボスキャラ居たよね

そんなことを考えながら今日は8/11、山の日という祝日だ。そんな日に山では無く沼に突っ込んでいく。最高かよ。


さて、上の方で「伊東屋に突撃するにはちと遠い」と書いたのだが、そんな文房具な店あるのか?あるとしても学校の子供たちを対象とするような趣味性とは違う店か、書店のついでに文房具もおいてあるような店か、もしくは常連客しか相手していないようなすんごい老舗の厳つい構えの店しかないのではないか?という懸念があるのだが、我が拠点に隣接するグンマー帝国群馬に複数店舗をかまえるハイノートという店があるようだ。


ハイノート伊勢崎店外観 PC DEPOTのフロアがそのまま文房具オンリーになった感じ


しかしbungu.co.jpとは大きく出たな。というかまだ空いてたのかよ。ドメインの世界は「早い者勝ち」という鉄の掟のもとに成り立っている。取得できれば勝者なのだ。

伊勢崎・高崎・前橋に独立店舗、さらにオープンしてから一ヶ月も経っていない店舗がイオン高崎内にあるようだ。

自宅から一番近いのは伊勢崎なのだが、結論から言うとイオン以外の3店舗全てを回ってきた。何をやっているんだ俺。両毛地区は全国屈指の車社会、この程度何ともないわ。


次回、文房具沼・購入編へ続く

文房具沼・邂逅編


 自分は一般的には多趣味の方に入るのだろうか。

そして趣味ってもんには金が掛かる。反面、仕事ではないのでその投資は生きる上で必須だというわけでもない。そんな自分は時期によって散財する対象が変わってきた。

20前半は乗り鉄

30前半~半ば過ぎまではDTM関係

30後半から今に至るまではカメラ

なお20後半は人生における暗黒時代につき無気力極まりない時期であったということも書いておく。

2001年夏 山陰本線・東萩駅前
特急「いそかぜ」は、この撮影の一ヶ月前に運転区間が益田~小倉に縮小
(その前は米子発着、4年後に廃止)


しかし、それぞれ

・社会人になって時間がそんなに無い

・セールとかで幾らでも増えてしまうことに対する自制(モノを作らなければという焦り)

・考えていたシステムが一通り出来上がる


という理由で、一応沼から脱した感がある。

さらにそんな中コロナ到来。

定期的に都内でライブだスタジオだということが無くなり、なんか金を使わなくなる。

そんな循環で今夏新車購入。

一年くらい前までは中古で先代のBM型アクセラかなー、くらいに思っていたのだが、気が付けば新車でMazda3のXDである。


2002年登場の2代目DY型デミオ。04年式で乗っていたのは06年~14年


こっちは2003年初代BK型アクセラの最終形09年式。乗っていたのは14年~22年

2019年登場、日本では初代で欧州名だと4代目という不思議な立ち位置。型式名はBP、22年式。

さて、人は何かの沼に沈んでは抜け出したと思えば、また次の沼を求めて、、を繰り返すものなのだろう。(一つの沼に嵌り続けるという事案も数多あるのだが)

「次の沼は何だ」と飢えにも似た何かを覚えながら日々悶々と暮らしている最中のこと。


職場のボールペンのインクが切れた。

それも手近にあった3本ほぼ同時だ。

自分の職場なんぞコンビニでなんとなく買った3色ペンとか、事務用品10本纏め買いとか、そんなものがデスクに入っているのをなんとなく引っ張り出して使っているようなところだが、そんな風に使っていたペンが3本同時に切れた

それもそのうち2本は3色ボールペン、そして黒と青が切れた。赤だけが2本ある状況。

ここでよせばいいのにこんな思考に入るのだ


、、、なんか使い捨てじゃなくて自分のペン持てばいいんじゃね?


その刹那、

文房具沼が忽然と眼前に現れたのだ。

文房具……趣味以前に生活必需品として存在するものであり、拘りが無ければ一本一冊数百円で済むような世界であるのが、過去の沼とは決定的に違うのだ。

上等だコノヤロウ

そりゃね、WavesのMercuryだって(定価で買う人は少ないだろうが)100万するし、スポーツや鳥を撮るような大砲レンズだって単焦点なら3桁万円の世界。

ただ値段相応の物量や質ということは素人が見てもなんとなく分かる。しかしこちとら「ペン」である。その辺に転がっている100円ペンしか普段見てなければ、それの高級版なんて想像する機会も無ければ存在も意識しないだろう。せいぜい「万年筆ってちょっと高いんだよね」くらい。


嫌いな言葉の筆頭に「コスト削減」が居座って20年以上。

自分みたいなのが会社のトップに立ったらきっとその組織は秒で潰れるだろうよ。

公私ともに「安ければそれでいい」と言っている奴らに囲まれていればそりゃ反骨の相の一つや二つは出てくるし、金持ちでもないのにブランド指向になる理由がこの歳になって少しだけ分かった気がする。

そんなものに目覚めてしまったある休日、ほぼ一日ずーっと文房具紹介のYoutube動画を漁っている自分がそこにいた。モンブラン、ペリカン、パーカー、普通の生活してたらそんなブランド名も聞くことは無かったのだが、そんなブランドを知ると同時にプライスを見て卒倒する。レンズ1本に6桁出すようにペン一本に5桁(それ以上もあるが)出す世界もある。当然のようにある。


ここまできて「文字なんてPCで打てばいいじゃんと思っていたけどPCの前に居ないと打てないじゃん」という重大なことに気が付いてしまう。アカン、これは失態である。そんな簡単なことに気が付かないとか。確かに作成するスピードはPC+キーボードが最強であるがPCの前に居ないとどうしようもない。どこでも打てるという意味においてはスマホでの入力があるが、その入力速度はPC入力の100分の1くらいだろう。今の子はスマホでの入力が早いが自分みたいなオッサンは物理的な手応えが無いとスピードも気分も乗ってこない


さて、そんなことを思いながらインク切れの後、現場から借りているボールペンがそろそろ5日くらい経つ。つべこべ言っていないでさっさと沼へ飛び込んで自分のペンを決めないといけない頃合いだ。奥深さは知った気になっているので、次は具体的に探していくことにする。


次回、文房具沼・選択編へ続く


文房具沼・購入編

文房具沼・選択編 からの続きです  というわけで時は比類なき2022年8月11日、山の日という2016年に制定された新しい祝日であるが何度も言っている通り 行先は山では無く沼 。 帝国 群馬の文房具店「ハイノート」を物色。書店のついでにある文房具コーナーではなく「文房具専門店」と...